咽頭結膜熱と流行性角結膜炎の違いは何?何科を受診すればいいの?
咽頭性結膜熱(プール熱)と流行性角結膜炎(はやり目)は症状がとてもよく似ています。眼科を受診したら流行り目と言われたけれど、症状的に「これってプール熱なんじゃ?内科に行った方がいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
プール熱とはやり目の違いや受診する科のおすすめを紹介します!
咽頭結膜熱と流行性角結膜炎の違い
咽頭性結膜熱(プール熱)と流行性角結膜炎(はやり目)は大変良く似ていますが、違う病気です。
原因はどちらもアデノウイルスという夏風邪のウイルスですが、ウイルスの型が違います。
アデノウイルスは現在51型までの血清型と52型以降の全塩基配列による遺伝子型が確認されていて、プール熱はアデノウイルスの3型・4型、はやり目は8型・19型・37型が主な原因となっています。
それでは、それぞれどのような症状が出るかを確認してみましょう。
咽頭結膜熱(プール熱)の症状
- 潜伏期間:4~5日
- 感染経路:接触感染・飛沫感染
- 症状:高熱・喉の腫れ・結膜炎
※プール・くしゃみ・食器・タオルなどの共用により感染する事が多い
※これらの症状は必ずしも同時に現れない
【熱】
・38~40℃の高熱が4日~1週間
【喉の腫れ】
・扁桃腺が腫れる
・物が飲み込めないほどの喉の痛み
【結膜炎】
・両目または片目の充血・目ヤニ・痒み
流行性角結膜炎(はやり目)の症状
- 潜伏期間:1~2週間
- 感染経路:手を介した接触感染
- 症状:結膜炎と角膜炎の併発
※ウイルスに感染した目に手で触れると手にウイルスが付着し、手から物へ→物から手へ→手から目へというルートが殆どである
【結膜炎】
・両目または片目の充血・目ヤニ
(ひどいと目ヤニで目が明かなくなる)
・涙目になったり、瞼が腫れる事がある
・症状が治るまで2~3週間かかる
【角膜炎】
・透明な角膜に点状の小さな混濁
・眼痛
・視力障害を感じることがある
・角膜びらんによる目のゴロゴロ・眼痛
・症状が長引くと数ヶ月~1年
結膜炎経過後に点状表層角膜炎を作ることが多い
(幼小児では偽膜性結膜炎になることがある)
角膜混濁が発症することがあり、数か月以上も症状が残ることがある
プール熱とはやり目の違い
感染経路は接触感染の面ではほぼ同じといえます。
症状は、はやり目はプール熱の様に高い熱が出ることはなく、のどの赤みも強くありません。ですので、プール熱とはやり目を見分けるポイントは高熱が出るかどうかとのどの痛みがあるかないかです。ただし、高熱や喉の発疹などの症状が現れた場合はプール熱だといえますが、プール熱でものどの痛みや発熱が無い場合もありますので、症状がないからと言って確実にはやり目であるとは言えません。
血液検査をすれば確実に分かるのですが、結果が出るまで1週間かかりますので、大抵は綿棒でのどの粘膜を取って検査する迅速キットを使います。こちらは30分で結果がわかります。しかし、迅速キットではアデノウイルスは検出されても型まではわかりませんので結局の所、症状ではんだんするしかないのです。
また、咽頭結膜熱と流行性角結膜炎は学校保健安全法上の学校感染症の一つであり、咽頭性結膜熱(プール熱)は主要症状がなくなった後2日間登校禁止となり、流行性角結膜炎(はやり目)は伝染の恐れがなくなるまで登校禁止となります。
咽頭結膜熱と流行性角結膜炎は何科を受診すればいいの?
結膜炎や角膜炎など、目の症状のみが出ている場合は眼科を受診するのが良いでしょう。やはり専門医なので適切な治療をして貰えます。
ただ、感染性が疑われる場合には他の患者さんに移してしまったり、感染者が帰った後は病院中を消毒する必要があったり、病院に寄っては出入り口を分けていたりすることもある事から、事前に電話で連絡をして確認してみるのが良いかもしれません。
発熱や喉の痛みなど他の症状がある場合は内科・小児科・耳鼻咽喉科がいいでしょう。こちらでも抗生剤や目薬なども処方してもらえますし、もし専門医の診察が必要と判断されたなら紹介をしてくれます。
因みに、アデノウイルスは抗ウイルス剤がないので、治療はすべてそれぞれの症状を緩和させる対症療法となります。
まとめ
いかがでしたか?アデノウイルスはとても感染力が強いので、感染してしまったら自宅でしっかり休養してくださいね!子供は登校禁止期間が定められていますし、大人でも出勤停止期間は定められていませんが周囲への配慮をしっかりしましょう!